追いかけっこ(仮)
怪盗Vの“過去”について、
知りたい。
気になるんだ。
何の反応もない齋藤をチラッと見ると、これまでにないほど青ざめていた。
「……ッ、」
「おぃ、大丈夫か?!」
「何が?」
“何が?”って、
平気なふりしてるつもりなのか。
「齋藤、顔真っ青だぞ。」
「いや、大丈夫のはずなんだけど……。」
「けど?」
俺は齋藤に聞き返す。
「“過去”ってワードにトラウマがあるから。」
齋藤はそう言って力なく笑った。