追いかけっこ(仮)
「………あぁ、分かった。」
私は安堵した表情を見せ、
ふぅ、とため息を零した。
「ありがとう。」
「よし、帰るぞ。」
龍樹はそう言って、
私の鞄を手に取った。
「ぇ、なんで私の鞄?」
「さっき、教室戻って取ってきた。」
私が首を傾げて問うと、
龍樹は私の方を向いてそう答えた。
「っていうか、授業は?」
「今もう4時。」
……は?
「ちょっ、わんもあ。」
「今もう4時。」
……まじで?