戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
「そんなことより、これ。一人一本好きなの選んでください!」


私はトートバッグから三種類の缶ジュースを取り出し、山杉さんの机の上に並べた。まるで戦時中の配給のようにワラワラと人が集まってくる(経験してないけど)。


今、この場にいる人には好きなジュースを選んでもらい、いない人は強制的に私が選ばせてもらうことにする。


「今、席にいない人には私からって言っておいてください。決して怪しい物じゃありませんって」


数が数だったので一人一人にメモを付けるのはやめた。グループの全員が似た缶ジュースを持っていれば、不審な物じゃないことくらいわかるだろう。


そうしたら、一人の男性社員が私に言った。


「間瀬さんにはないんですか?」


出たよ、間瀬さん。好きだな、この人もそのネタが。


「間瀬さん、今、こっちに常駐してますよ」


「知ってます。先日お会いしましたから」


「じゃあ、この後行くんですか?」


行かねーよ。


…………とは言えないので笑って誤魔化してみる。


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