リアリティ
「…と、まぁ今朝はこんな夢を見てた訳だよ。」

「だからって遅刻すんなあとそのドヤ顔もやめろ!」

HRが終わり、一限目が始まる前の時間。
ざわつく教室の窓側の席で笹原留衣と小野寺英一はいつものように雑談をしていた。

「えー、だってさあ、執事ですよ?憧れじゃん。私は夢の中だけでも幸せに浸りたいの!」

「はいはい、現実を見てくださいねおじょーさま。」

留衣の熱弁を小野寺は冷たくあしらい、授業の準備を着々と進める。
それもいつものことなので留衣は少し頬を膨らませながらも自分も引き出しから教科書やノートを机に並べた。

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