小野さんとさくらちゃん
「だ、大丈夫!?」

慌てて駆け寄り背中をさすった。かわいそうに、とても苦しそう。

「おあ、さくらちゃんじゃん!びっくりした。」

「小野さん、風邪?」

横から彼の顔をのぞきこむと、トロンとした目をしていた。

「多分。授業出てたんだけどゾクゾクするから…ゲホッガホッ。」

辛そうに胸をぽんぽんと叩いている。

「やっべ、昼飯何か買わないと。」

そういう小野さんはもうフラフラだ。買い物なんてとんでもない、すぐにでも布団に入った方がいい。


「あの、迷惑じゃなければ…おかゆとか作りましょうか?」

「えー俺おかゆ苦手だー!!オムライスがいいっ。」

熱で辛いのだろう、だだっこみたいになっている小野さんの肩をつかみ、支えるようにして歩いた。

病人は重い。


わずか3分ほどの距離なのに、もう俺は死ぬんだとわめく小野さんのせいで随分タイムロスした。

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