女の子のしたいこと
自転車からヨイショと降りてから、道端に停める。
「ご苦労様」
とお礼を言ってみる。
「いえいえ、どうしたしまして」
と自転車の気持ちになって返事をする。
通行人のおばちゃんに変な目で見られた。
逃げるようにして、恭平の家のチャイムを押した。
ドアが開いて、恭平ではなく、恭平のお母さんが顔を出す。
わたしの顔を見ると、恭平のお母さんの顔は明るくなって、人の良さそうな笑顔をしてくれる。
たぶん、わたしは恭平のお母さんに好かれているんだと思う。