プラスマイナス、




頭が、ぼーっとする。

ここは、どこ?
僕は、誰だっけ?


なんだか、寂しい。



―――俊英…



声が、聞こえる。

それは、僕の名前?
この声は、お母さん?



―――俊英、ごめんね…。母さん、あなたにひどいことばかり…



いいんだ、いいんだよ、お母さん。
僕はなにも覚えていないんだ。


ただとても寂しかったから、

これからもずっと一緒にいてくれる?



―――もちろんよ。愛してるわ、俊英




なんだか、あたたかいな。


これはなに?海?



―――さよなら、斎木さん。




また、声が聞こえた。

今度は男の子の声。



誰?



なんだっていいや、僕は今こんなに幸せなんだから。







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