プラスマイナス、


昨日と同様、僕は簡単に学校に送り出された。

昨日、学校をサボったことが母にバレなかったのが一番安心した。担任が家に連絡してるかとヒヤヒヤしたが、きっと日頃の行いがいいからだろう。



「まさくんてさ、登校するときだけ不機嫌だよねー」



誰のせいかはわかってないようだ。

最悪な目覚めと僕のペースを乱されまくれば不機嫌にもなる。



「孤児院のみんながね、またまさくんに会いたいって言ってたんだよー。またおいでよ!」



僕の返事は待たずに紘奈はまた話題を変えた。

子どもはあまり得意ではないけれど、孤児院のみんなにそう思ってもらえたのは純粋に嬉しかった。

まぁ、1人だけを除いて。



「行きたいのは山々だけど、僕みなとさん苦手だ…」


「あぁっ!あ、あれはね、悪気があったわけじゃなくて、みなとさんなりのスキンシップなんだよ!あの人、心の距離とか壁を壊しちゃうクラッシャーみたいな人だからさ!」


紘奈が焦ったように両手をぶんぶん振りながら、みなとさんをフォローする。


気付いたら紘奈と笑いながら登校していた。




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