プラスマイナス、


孤児院の窓から明かりが漏れてる。

窓から小さな人影が揺れるのを見て少し安心した。
子供たちがもう寝ていたらどうしようかと思ったからだ。


恐る恐る玄関の扉を開ける。
女子供の集まりなのに鍵をかけないのは不用心だなぁと思った。


扉にくくりつけられた鈴が、孤児院の中に来客を告げる。

奥の方から「はいはーい」と呼び掛けるみなとさんののんきな声と、パタパタと小走りで玄関に向かってくる足音が聞こえた。


「あらっ、まさくんじゃない。」

「こっ、こんばんは…」

「どうしたの、こんな時間に。あっ、紘奈の体調はどうだい?悪いね、まさくんちに預けちゃって。子供は風邪もらいやすいからさ。あと、ふうちゃんがまたまさくんに会いたいって言ってたよ。紘奈が元気になったらまた遊んでやってよ。紘奈もさぁ~、体は元気なくせに環境がちょっとでも変わるとすーぐ体調壊すもんだからねー、新しい学校で疲れちゃったんだろうね。昔もさぁ…」

「ちょ、み、みなとさんストップ!ストップ!」



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