恋スル手紙
始めの一通

不自然な朝

直樹が彩香にフラれた翌日、二号室はいつもどおり慌ただしかった。


「ヤバイ、ヤバイッて!」


フライパンから炒めたウインナーを二つのお弁当箱に移し、慣れた手つきで蓋を閉めて袋に詰める栞。
それをジーッと見つめるナオ。


「ナオ、タコさんがイイ……」


「文句言わないの。ほらほら、早く着替えて!」


なおも、お弁当箱の入った袋を見つめるナオ。


「ナ〜オ!」


「……はーい」

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