ゲート
圭と武は慌てていた。 

「一体何が起こったんだ!!
 祐は何処にいった!!」

祐が消えてから一時間、
武は同じことを繰り返し叫んでいた。

「そんなに叫んでも何も変わらないだろ!!」

圭はマンホールを見つめていた。
じっと見つめていたら、
妙な言葉が書いてあることに気づいた。

「ちょっ 武! こっち来て!!」
「何だよぉ 何かあったのかよぉ」

 武は涙目だった。

「泣くなって 今手がかりみたいなものを
 見つけたところだからさ」

安心させるように言った。

マンホールの穴の側面には、
何かの文字が書かれていた。

「武! この文字見たこと無いか?」

「あるわけないじゃん 
 誰も読めないよこんなの」 

武はとても焦っているようだった。

「何か知っている人はいないか・・・」

 独り言を言うように武に聞いてみた。

「あのおじさん、 
 あのおじさんが何か知ってると思う!」

 武の言うとおりだ。
 あのお爺さんなら
 何か知ってるかもしれない。

駄菓子屋に戻って聞いてみた。

 話を聞いたお爺さんは
 あまり驚いていなかった。

「これを〈あいだ〉を作っている空間に
 貼り付けてみなさい」

御札を二枚渡された。

これって 話で出てきた
 棒に張り付いていた御札?

「これを使えば
 友達のいるところにいけるだろう
 だが早くしたほうがいい 
 時間が無くなってしまう、
 日が暮れる前に早くしなさい!」

「何故日が暮れる前なんですか?」
 
疑問だった。

「早く行きなさい!!
 友達が居なくなってもいいのか!?」

きつく言われたので急いで
 〈あいだ〉を探した。

駄菓子屋を出たところに
 自動販売機と電信柱が
 丁度二人分の距離を開けて立っていた。

「自販機と電信柱につければいいのか・・・?」
「お、おい、 早くしろって!」
 相当きているようだ。

御札を付けた瞬間、自販機と
 電信柱の間に膜が張ったように見えた
 「よし・・・。」 「い、いくか」
 とても遠く感じる一歩を踏み出した。
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