いつもの車両に…

第2節

「ふう…帰るか…」

僕が帰ろうとしたときには、陽はすでに傾いていた。

陽がくれる時間も早まり、同時に机に向かう時間が長くなっていくこの時期。

受験の天王山らしい夏休みという時期をなんとなくすごす負け組一直線の生活をしていた僕は、夏開けの受験の空気へ対応すべく図書室にこもるということをやってみたものの、いきなり集中できるわけもなく、ただいたずらに時をすごしてしまった。

(なんだかなぁ…)

さすがに電車の君(命名:本村)にうつつを抜かしている場合ではないのである。

成績は悪くないとはいえ、さすがにこのままではまずい。

(よし、今日は帰ったら勉強しよう)

そんな三日坊主なフラグ的考えをしながら、カレン公園を通り過ぎたそのときだった。
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