BOND
はぁ…。




武藤くんはどうして怒ってたんだろう。





はぁ…もうわけわかんなくなっちゃった。






どうしたらいいのかわからない。






―――――――――――‥


バイト中私の頭は空っぽで。





「越智、こっち手伝って。」


「あ、はいっ。」




私は空っぽになったんじゃなくて、頭を空っぽにしたかったのかもしれない。




バイトしているときだけは、何もかも忘れられた。






バイトが終わり、私は武藤くんと家路についた。



「寒くなってきたねぇ。」


「だな。あ、越智の誕生日っていつ?」


「クリスマスイヴ。武藤君は?」


「2月13日。」


「‥おしい。」


「フッ。だろ?」



互いに見つめ合って、笑った。
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