甘きゅん【完】
その後ろ姿に――…


「ぷっ…」


いつもこらえきれずに、俺はふきだす。


どうして、柚月は――…


いつも、あんなに素直じゃないんだろうな?


どうして、柚月は――…


いつも、唇を尖らせているんだろうな?


そのクセ――…


“大好き”


そんな言葉を、でっかくでっかく頬に書いて。


怒ったように、高揚した頬で、潤んだ瞳で俺を見上げる。
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