恋する事件簿【完】
2人に別れを告げて、私たちは駐車場へ向かう。



「良かったね。あの2人」



「せやな。次は、俺らか?」



「だと良いね」



那維斗の腕に手を添えて、薄暗い廊下を歩く。

最近、この沈黙も愛しく思えるようになった。

きっと、両親のような関係になって来たんだ。



「今日のご飯は何だろな…」



「野神刑事の料理は美味そうやな」



「お弁当、食べた事あるでしょ?」



「そうやっけ…」



…物忘れ多くない?

何気なく生きすぎだね。

那維斗の場合は。

絶対、そうだ。




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