恋する事件簿【完】
『久しぶりだな、刑事たち。
今回は警察署にセットした。
お前たちに、出来るかな?』



「残り20秒。兄貴、どうするの?」



叔父さんは2色で迷ってる。

固唾を飲んで見守る私に、叔父さんは「止めるから」と言う。



「犯人はきっと、俺たちが4年前と同じモノを切ると思ってる。でも、それを切ったらドカーン!そうだろ、北斗」



母親が持つ受話器に叫ぶように叔父さんが言うと、スピーカーにされた電話からは、『ご名答』と聞こえた。

パチンッと、切断する音。



「止まった」



叔父さんは「ふーっ」と安堵のため息を吐いて立ち上がった。
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