恋する事件簿【完】
「……映子ーエイコー?」



そこに居たのは、高校時代の親友、内藤ーハヤミー映子だった。

私はいつも騒がしいのに、今日は少し落ち着いた映子に近付いた。

手招きされ、通路に出ると、エレベーター前に1人の60代であろう女性。

頭を下げながら近付くと、映子が「叔母さんなの」と言う。



「何かご相談ですか?」



「相談…何ですかね…」



目を伏せて、寂しげに笑う女性。

私は叔父さんに声を掛けて、署長や課長たちが使う会議室を貸して貰った。

お茶を淹れ、再度、会議室に入ると、「速水と言います」と、関西弁訛りで挨拶された。
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