何度も…何度でも君に恋をする
日陰になってるベンチに座ってたらジュースを手にした新ちゃんが歩いてきた。


あー……。前にも奏くんとこんな事あったなぁ…なんて、ボーッとする頭で思い出す。


「ん……」



目の前に出されたオレンジジュースを飲んだら、甘くて…、冷たくて…。

怖かった心が落ち着いていた。





「なんか…ありがとう……私ってばいつも助けてもらってばっかりやね…」

「…ほんまになー……俺華凛のお守りじゃないねんけど…」

「うぅっ……ごめん」



当たってるだけに言い返せなくて、逆に思い知らされちゃう。


新ちゃんに迷惑ばかりかけてるって事。




「新ちゃ……」

「でもまぁ……、嫌いじゃないねんけど。華凛のお守りするの…」


私が結んだゴムをおでこに飛ばしてきて髪をくしゃくしゃってしてる。



なんか新ちゃん……。






「新ちゃんってさ…」

「だーー!言うなっ!!俺は年上好きやねん!」

「……うん……だからそういう所がモテるんやねって言おうとしたんやけど…」

「……は?…」

「だから…、私今まで意地悪な新ちゃんが何でモテるのか不思議やってん。…でも世話好きな所が逆に先輩達にもウケるんやね」

「…………」

「…え?違う…?」

「…………」

「新…ちゃん……?」

「……は―――……。ほんま……華凛は天然ちゃん通り越して………アホっ子ちゃんや…」




眉間にシワを寄せながら首を振る新ちゃん。

ってゆーかアホっ子ちゃんって…、失礼過ぎじゃない?


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