うしろ姿




「大丈夫かよ、危なっかしい…」




私の細くなった腕をつかんでくれたのは……


「……伶…」


貴方じゃない。


冷静になって考えてみると当たり前なこと。

だって航は香のことが好きなんだよ?


私、自惚れてた。

自分があなたを好きでいたら、香のことを諦めて私に傾くんじゃないかって。


< 55 / 81 >

この作品をシェア

pagetop