うしろ姿


「……別に。」


航は下を向いた。

もう、何なんだよう。
気になって顔を覗きこむと…。


「顔、赤いよ?」

「…見んな……。」


照れている顔がすごく可愛くて、どんどん自惚れはじめる。


「やっぱり、また航って呼んでもいいですか?」

「……いいよ。」

「無理なお願い、してもいい?」


無理なお願いなんか、無理に決まっている。

最大の賭け?
もう賭けてなんかない。


「私のこと、好きになって下さい。」


< 75 / 81 >

この作品をシェア

pagetop