うしろ姿


航は私を抱き締めた。

甘い甘い声で、私に囁く。



「俺と伶、どっちが好き?」

「え、あの…ッ」


耳元で、航の声がする。
耳に、航の吐息がかかる。

夢なんじゃないか。


「どっち?」

「航に決まってる…。」


だんだん小さくなっていく私の声。


「よくできました。」


そう言うと、航は私の唇にキスを落とした。

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