赤い狼 参

:訪問






「稚春の匂いがする。」




そう言って顔をスリスリしてくる男を私はどうすればぃぃんだろうか。



辺りを見回せば、ほとんどの家具が木で作られたもので統一されている。



…今日、此所に来るのは初めてだ。




「あの…さ、」



「ん?」



「…近すぎない?」




そう言って少し距離をあけるともっと近付いてくるその男。




「稚春…。」




ウルウルした目で見つめてくる目の前の男を止めるにはどうすればぃぃのか。



…人を呼んできた方がぃぃんじゃないだろうか。




ぃぃ考えが浮かんだから携帯をポケットから出す。



…その前に誰に助けを求めようか…。




隼人を呼んだらキレてこの男にパンチ食らわして、その上、私まで怒られそうだし。



銀は絶対に助けないで逆に煽りそうだし。



奏は、意外と腹黒いからどさくさに紛れてこの男と一緒に何か仕出かしてきそうだから却下だな。

塚、こっちから願い下げだ。



…と、なると残りは雷太と棗か。



いや、雷太の言う事をこの男が聞く筈がないか。


じゃぁ棗か。




結果、残ったのは棗だけだった。



と、いう事でアドレス帳から棗の名前を探す。





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