赤い狼 参
「その目、見てると吐き気がする。…まぁ、真実を知ってもそんな悠長な事を言えるとぃぃんだが。」
クツクツ、クツクツと。
何がおかしいのか笑い続ける司。
私は司の笑い方が嫌いだ。
「真実?」
気になった言葉を口に出す。
相変わらず司とは睨み合い。
目を離したら駄目な気がした。だから、きちんと逃げずに前を向く。
「まぁ、面白そうだから教えてやろう。」
右の口角を吊り上げて笑う司はとても不気味だった。
「俺はね―…」
ゴクリ、唾を呑む。
――…稚春の婚約者だ。
…グラリ、視界が揺れた。