天使のキス。



「愛里ちゃん?
どうしたのかな?
今日は珍しく元気がないね」


悠と気まずくなった次の週、久しぶりに空手の道場にやってきた。


「最近はサボり気味だったようだし。
何かあったのかな?」


道場を運営している、空手の師範の“じいじ”が聞いてくれる。


「わしでよかったら、相談にのるよ」


優しい笑顔に、つい涙腺が緩んでくる。


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