天使のキス。
アイツが、佐久間健が“HIROKO”だって、オレに明かしたところで何になる。


『俺、今度実話書こうと思ってるんだよね?』


愛里が食後のアイスを取りに行っている間に始めた、アイツとの会話。


『内容聞きたい?』


『…』


『俺と愛里のらぶらぶストーリー♪』


『…そうですか。
ではぜひ、楽しみに読ませていただきます』


そう言ったオレに、


『じゃあ、約束しろよ?』


アイツはオレに薬指を出してきた。
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