天使のキス。
タクは、何でも自分で切り開く人だと思っていたから。


『俺はするよ』


そう言って、初めて弱気な顔を見せたタクに、あたしは違和感を感じた。


「あ。
愛里、タク!
あったぞ。
うさぎ♪」


あたし達より先に歩いていた健ちゃんが、嬉しそうな声をあげた。


桜の木々に囲まれて立つその像はとても愛らしく、その場所の桜はうさぎの像に寄り添うように、特別綺麗に咲き誇っていた。


あたしは、さっきのお坊さんのお話を思い出した。


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