天使のキス。
さくら寺での、タクとの会話で感じた違和感。


何でも自分で切り開いて行く人間だと思っていたタクの、意外な言葉。


『俺は。
願い事したいな』


『え?
タクが?』


『何でそんなにびっくりするんだよ』


『だって…
意外なんだもん』


それって、こういう事だったんだ。


タクは――…


自分なんかのことよりも、沙耶の幸せを願ってた。


あたしが自分のことしか考えてない時間、タクはずっと沙耶のことを――…。


だからあの時迷わず――…


たったひとつしか叶えられない願い事を、沙耶の幸せのために使ったんだ。


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