嘘婚―ウソコン―
「ある意味ラッキーだったな」

そう言った陽平に千広が首を傾げたら、
「もしかしたら、ヒロのおかげかも」

ククッと笑いながら言った陽平に、千広は訳がわからなかった。

(あたしのおかげって何だ)

陽平に言う代わりに心の中で思うことにした。

どうせ彼に言ったとしても、うまく交わされるだけである。

陽平はユメに視線を向けると、
「ハートは?

ハートもいるんだろ?」

またややこしい名前が登場した。

(ハートって、外国人かよ…)

千広は呆れた。

一体、この店はどんな源氏名をつけているのだろうか?

「ああ、ハート?

ハートなら弁護士先生のところよ」

ユメが陽平の質問に答えた。
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