嘘婚―ウソコン―
その言葉に、陽平はピザを口にくわえたまま千広を見つめた。

「何ですか?」

千広はフライドチキンを食べながら聞いた。

陽平はフッと笑って、ピザを1口ちぎった。

「未来の妻兼右腕候補と飲み食いしていた方がずっとおもしろい」

得意気に笑うその顔に、千広は食べていたフライドチキンを口から出しそうになった。

「あいつら2人は飲んでしゃべる分にはちょうどいい」

陽平はピザを1口かじった後、チューハイを1口飲んだ。

「プロだし、話せばいろいろな話題が出てくる。

車の話とか、政治経済とか」

そう話す陽平だが、千広は彼がまじめに世間の政治経済の話をするイメージが想像できなかった。

「周さんも政治経済の話をするんですね」

正直に千広は言った。
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