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10.18 最終電車
* * * * *


「帰ってくるの、待ってるね。」

「うん。菜々子(ナナコ)も身体、気をつけて。」


電車のドアがガコンと閉まる。


駅のホームに一人取り残されて、最後まで彼を見送る。


最終電車に乗る彼を見送る時間が、私はとてつもなく嫌いだ。


扉が閉まるその瞬間に訊いてしまいたくなる。


〝ねぇ、奏斗(カナト)は私のこと好き?〟


それが言えないまま、ずっと幼馴染として時間を過ごしてきた。


今更、もう進めない。訊けない。怖いから。


夏が過ぎ、秋らしくなった空気の中


田舎の夜空に光る星たちがやたらに私を照らして


涙が闇に紛れてくれないことが


本当に嫌いだった。

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