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もうすぐ最終電車がやってくる。
奏人が立ち上がり、差し出された手を掴んで私も立ち上がった。


「まもなく1番線に●○行きの電車が到着します。
黄色い線より下がってお待ちください。」


案内の声がホームに響く。


「菜々子。」

「ん?」

「気持ち、話してくれてありがとう。話すの…辛かっただろ?」

「…ちょっとだけ。」

「なるべく早くに帰ってくる。
それと…菜々子も俺の家に遊びにおいで。」

「行っていいの?」

「何言ってんの?菜々子は俺の彼女なんだから。」

「うん…じゃあ、行くね。お金は結構あるから、行く!」

「うん。待ってる。」

「私も…ちゃんと待ってるから。」


ホームに電車が入ってきた。
ドアがゆっくりと開く。


「菜々子。」

「ん?」


ふっと顔を上げた時、優しく奏人の唇が私の唇に触れた。


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