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「最初っからそう言ってよ。背伸びなんてしなくていいから!」

「だから、俺は男なんだっつの。…年下だけど。」

「だから背伸び、ってこと?」

「どんなに頑張ってもお前の前を走ったりできねぇからな。」


…そんなこと、ないのに。
勉強だってちゃんと頑張ってて、将来もちゃんと考えてて、フラフラしてるあたしなんかよりもずっと先を走ってる、そんな風にあたしは思ってるのに。


年は一生あたしが2コ上のままだけど、心は晴輝の方が2コ上みたいなものなにな…って思うけど、絶対言わない。なんだか悔しいから。


「…大学の先輩にも遠恋してる人がいてさ。」

「うん。」

「うちの高校の卒業生らしくて、大学の見学に行ったときに話を聞く機会があって。」

「へぇー…。」

「大学生の恋愛について語ってくれたんだよな、その人。
えっと…なんつったかな…奥村さんだっけ。あ、そうだ奥村奏人さん。」

「え!?菜々子さんの彼氏…。」

「彼女の名前までは言わなかったけど…。」

「菜々子さんの彼氏だよ!菜々子さんも遠距離だって言ってたもん。
あ、菜々子さんは大学の1コ上の先輩ね?」

「…辻褄合うわ、それ。奥村さんも3年生だし。」

「うわーすごい偶然!それで、奥村さんは何て?」

「離れてしまう前にしっかりと気持ちを掴んでおくことがすごく大事ですって。」

「…どゆこと、それ?」

「今までの関係に名前をつけないまま離れてしまったんだって、奥村さんは。
だからすごく不安で、現実を見たくなくて帰省も少し躊躇ってしまったりってことがあったんだって。
だから、彼氏、彼女っていう関係に名前があるだけでも気持ち的にはかなり違いますよって言ってた。」

「…ふーん…。」

「それと、印象的な言葉がもう一つ。」
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