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「え…?」

「だから戻ってきたんだ。
どうしても会いたくて。
ヒメのことが好きで好きで仕方なくて、諦められなくてここまで来た。」


…涙が溢れた。
止まるってことを忘れたかのように、ただひたすらに零れ落ちていく。


「ヒメが短冊にああして願ってくれたこと、嬉しかった。
まだ約束を覚えててくれたのが…すごく。
…が…我慢すんの、大変だったんだからな。」

「が…我慢?」


晴彦の頬に赤みが差した。


「…抱きしめたく…なるだろ?」

「えっ?」

「…もうあの時の『ハル』じゃないよ、俺は。」


晴彦の優しい手が姫乃の頬に触れた。


「あの時あんなに遠かったはずの空まで…こんなに近くなった。」


…もうあの頃の二人じゃない。
消えはしないけど、戻れもしない時間。


空白の10年を埋めるかのように、晴彦は姫乃を再び抱き締めた。




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