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「つーかお前さ…。」

「なんですか?」

「プライベートでも敬語なつもり?」

「え?」

「さすがにプライベートで先生とか呼ばれると、手出し辛いんだけど。」

「だっ…だってそんな…いきなり色々は無理です!!」

「じゃあとりあえず名前くらいは呼んでみろ。呼び捨てでいい。」

「無理です無理です!!年上なのに呼び捨てとか絶対無理です!!」

「俺だけ呼び捨てとか不公平だろうが。プラネタリウム連れて行かねぇぞ。」

「えぇー!!横暴!!」

「なんとでも言え。つーか呼べ。」

「……。」


さすがに躊躇う。今までは『齊藤先生』でいきなり今からプライベート時のみ『呼び捨て』だなんて。


「まさか…下の名前知らねぇとか言うなよな。」

「知ってます!!」

「なら呼べ。」

「…あ…あつ…し…さん。」

「噛みすぎだろ…。でもま、お前にしてはよく頑張った。
いつか呼び捨てで呼べるように頑張れ。」

「…そんな日来ないですー…。」


齊藤は助手席のドアを開けた。汐織はぺこりと頭を下げて中へと入る。
齊藤も乗りこみ、エンジンをかけた。


夏の大三角形がキラキラ光る中、二人の乗っている車の中に心地良い夏の風が吹き込んでくる。


「プラネタリウム、絶対ですよ。あ…篤さん。」

「わーってるって。少しはスムーズになったじゃねぇか。」



*fin*

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