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「夢ー!今日暇?」

「暇ーっ!」

「じゃあさ、俺んち来ない?」

「いいよ♪」

「…っておい、お前彼氏いるんだよな。今。」

「え?」

「D組の松坂だっけ。彼氏じゃねーの?」

「付き合ってって言われたから付き合ってるけど、松坂くんは結構忙しいんだよね。ま、もうすることしてるけど。」

「はぁ?付き合ってまだ3日目とかだろ?それに松坂ってかなり真面目な…。」

「それでも松坂くんだってオトコノコだもん。
したいこといっぱいあるでしょ。フツーに。」

「ま、俺は夢がいいならいいけどな。
このまま行く?」

「潤はせっかちだなぁー…相変わらず。」


雨坂夢(アメサカユメ)はにっこりと笑ってそう言った。
潤の家に行くことが、ただの遊びじゃないことなど知っている。


そこには潤が求める快楽が待っていて、しかし夢はそこに快楽など見出せてはいない。
夢はいつも空虚を感じている。
たとえ誰かと肌を重ねても、抱きしめてもらっても。


それでも、家に帰って留守電をチェックする時間を先延ばしに出来るならそれでいい。
期待するだけ無駄だと分かっているのにボタンを押してしまう自分を、とにかく今は見ないフリして忘れていたいから。

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