もうひとつの卒業
早苗の

「愛している」

という言葉を拓馬は何度も聞いた。

そのたびに胸が震え呼吸が苦しくなった。

美鈴の事が脳裏によぎった。

そして、その度に打ち消した。



二人は求め合った。

求めても求めても満足はしなかった。

果てることの無い欲求。

枯れることは無かった。


いくら使っても。
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