もうひとつの卒業
しばらくすると、同じ方向から
拓馬が歩いてきた。


「何があったの?」

と美鈴は聞いた。


拓馬は困ったような顔をして、

「七恵が僕の事を好きらしい」

と他人事のように言った。


「何て答えたの?」

美鈴は出来るだけさりげなく聞いた。

でもその声は上ずっている。

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