群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
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彼女を大介の家に送り届ける。



…君の名前は?


どこに住んでるの?



…君と大介はどういう関係なんだ?



聞きたいことはたくさんある。


でも、今は我慢だ。



あと一週間。




今度彼女に会ったら…。




この思いを伝えたい。



「送ってくれて、ありがとう。


…今日は本当にありがとうございました。


…とっても楽しかった!」



満面の笑みを浮かべる彼女だけど



どことなく儚くて



俺は思わず…抱き締めた。



捕まえてないと


どこかへ消えてしまいそうで



怖かった。




「…ハルくん」


彼女はぽつりと呟く。




「ありがと…」




腕に力が入る。

あぁ、まただ。

さっき抱き合った時に気がついた、彼女のにおい。


甘くて


どことなく官能的な大人の匂い。



彼女の匂いが



…俺を『恋』に狂わせた。
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