【短編】お隣BOY☆
腹話術の人形の隣に座っている彼はなんと…


無表情ではありませんか…!

ミラクルです。



みんながキャーキャー叫んで、それぞれが歯をくいしばったり口を開けてなんとなくおもしろい顔になっているというのに…


なぜ…?


無表情って…



「もしかして…ジェットコースター苦手とか…?」



彼はそっぽ向いて、


「これで楽しい思い出になっただろ?」


そう言いました。



なんと…


私にはもったいないぐらいの男です。



彼は決して愛想がいいとは言えないし、口数も少ないけど…


あったかい人です。



私が作ったご飯を


「おいしい」


と言って食べてくれ、私が寝るまでいつも起きていてくれる。



寝相の悪い私に夜中何度も目を覚まし、布団をかけてくれる。



心の広い彼なのです。

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