トリップ少女

「あー若菜かね?」


  え



「そうですけど・・・」



「私の顔をじろじろ見おって。なるほど記憶喪失というのは本当らしいな。」



「申し訳ございません。」



「まぁよい。早く治ると良いな。」




それだけ言うとトリトン(若菜が勝手に命名)は表情を一変させて語り始めた。



「皆に集まったのはカレンについてじゃ。」



はっと周りの人魚たちは息を呑んだ。


若菜には何のことだかさっぱり分からなかった。
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