Strawberry Junior
可愛い後輩
倉持美寛。16歳。
残念ながら彼氏居ない歴16年。そして、誕生日が近いから、もうすぐ17年になる…。
今までに好きだった人は幼児期の初恋を含め、6,7人は居たけど、どの人も告る気にまではならなかった。私(アタシ)っておかしいのかな。



「美寛ー、早くーっ」

親友の棗が呼んでる。

「ちょっと待ってー」

華山(カヤマ)高校卓球部。
私は中学の時も卓球部だった。
私が通ってた華森(ハナモリ)中学は、どこの運動部も盛んで、卓球部員が沢山居た。
卓球は地味なイメージのスポーツっていうのもあるけど、華山高校卓球部は弱く、残念ながら現在女子部員は3人だけ。

桐島棗(キリシマ ナツメ)。
私の小学生からの大親友。超優しくて頼りになる。時々抜けてることがあるけど(笑)
私達は小学生の時同じ人を好きになったことがあって、考え方とかほぼ一緒。だから話がすごく合う。
因みに私達は、皆から2人合わせて「夏蜜柑」って呼ばれてる。

高野蘭子(タカノ ランコ)。
美人で優しくて成績優秀。とにかく完璧で、私達の中学から憧れの先輩。でも春季大会で負けてしまったら蘭子先輩が引退してしまい、棗と2人だけになってしまう。


そして今日は部活集会。今日来る後輩の数で今年の部員数が決まる。

「美寛、後輩来てくれるといいね♪」
「うん♪でも来てくれるかな…」
「大丈夫だって。もし居なくても2人だけで頑張ろ?」
「うん。そだね」

そう言って集会がある教室に入った矢先…。

「「え…」」

見事に声が揃った私達。案の定、男子は数人居たものの、女子は全く居なかったのだ…。
ショックを隠せないまま私達は席に着いた。

「後輩居ないってショックだよね…」

蘭子先輩が話しかけてきた。

「はい…」
「楽しみにしてたのに…」
「ホント…」

「女子は居ないようですが、3年生から順番に自己紹介して下さい」

超頼りなさ過ぎの顧問、南田が言った。コイツは性格が異常な上に、卓球の知識が全く無い。だから、卓球を上達させるためには私達部員だけで教え合うしかない。


「女子もですか?」

すかさず蘭子先輩が聞く。
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