Strawberry Junior
「そうそう。お互い惹かれ合うんだよ」
「だったら私は違うよ」
「何でそう思うの?」
「だって両想いの場合でしょ?私、春間くんに好かれてないもん」
「判んないじゃん?相手の気持ちなんて」
「だって、もし春間くんが私に一目惚れだったら私の事ばっかり見てるでしょ?」
「相手に気付かれないように見てるかもね」
「無い無い無い」
「ふふっ」
「棗、気持ち悪い」
「だって美寛見てんの楽しいもん♪」
「人を笑いもんにすんなっ」
「ごめんごめん。でも、冗談抜きで美寛、春間くんのこと好きになってるかもよ…」

棗がふっと真剣な顔で言った。

「そうなのかな…」
「多分ね。好きって判ったら私にいつでも相談して?応援してるから」
「でも、棗、春間くんのことカッコイイとかいってなかった?」
「確かにカッコイイけど、ホントに私、ファンだけだから。どっかの誰かさんと違って、ファンとして好きなのと恋愛感情で好きなの、ちゃんとした境界線判ってますから♪」

棗が私の方を見て笑いながら言った。

「もう!人をバカ扱いしないでよっ」
「恋愛を解ってないから新鮮なんじゃん♪」
「そういう棗だってまともな恋愛したこと無いでしょー?」
「…まぁね」
「人のことより、まず自分のこと心配したら?」
「いいのっ。美寛見てる方が面白いもん。大体、美寛は他人事じゃないでしょ?」
「ありがとね」

♪~キーンコーンカーンコーン
  キーンコーンカーンコーン~♪
そんな話をしている間に1限目のチャイムが鳴った。

「ほら棗、授業始まるよ?」
「はーい」

あぁ…。春間くんは1限目の授業は何なのかな?あ、そういえば移動教室とか何処なんだろ?春間くんは賢いのかな?案外、授業中は寝てたりして―――

「…もち!倉持!!」

へ??

「あ、はいっ!!」

思わず勢いで立ってしまった!

「さっきから読んでたんだけど?」

目の前で先生が怒っていた…。

しまった!!今授業中なんだった!!

「すみません…」
「で、この答え解る?」

え…。解んないよ…。

隣の棗にアイコンタクトで助けを求めたら、呆れてるけど笑って、ノートでこっそり答えを示してくれた。
棗、ありがとぉぉっ!
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