シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「わ、私、笠島専務と、ずっとこうなりたいって、夢見て来ました…。…だから」

え?…。

何だかまるで、俺のために今まで守ってきたかの様に聞こえる。

俺は彼女の身体を起こすとそのままギュ、と抱き締めた。

「…専務?」

彼女が恐る恐る俺を呼ぶ。

「専務だなんて、やめようよ。

こんな時は、圭吾って呼んで」

え、俺、何言って…。

「け…、圭吾…」

彼女をそっと離し、目をじっと見つめる。

うるうると潤んだ瞳がキラキラ輝いて揺れている。

もう一度、抱き締めて髪にそっと口付ける。

切なく、甘く、哀しく、二人の気持ちが交差して胸が締め付けられる。

「…瑠奈…っ」

彼女の細い腕が俺の背中にそっと回ってくる。

そのまま俺達は再びゆっくりと倒れ込んでいった…。




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