盲目の少女 〜私の見える世界〜


「あのな、遥翔。
海輝はな、今 目が見えにくいんだ。」


「目あるよ。ほらここ」


遥翔は海輝の両目を指差して言った。


「見えるよ。ほら、笑ってる」


「遥翔、目があっても、海輝の視力は
とても弱くて、今ほんの少し見えてるだけで、

大きくなったら見えなくなってしまうんだ。」


「今もじゃあ、見えにくいの?」



海輝に尋ねるように聞いてみる。

でも、海輝は何も答えない。

舌を少し口から出したりしているだけ。



「ねぇみきちゃん、見えないの?」

「遥翔。みきちゃんはね、赤ちゃんだから喋られないの。
だから、泣いて言いたいことを伝えるの。」


「泣いて?」


「そぅ。だからはると、みきちゃんが泣いていたら
頭をよしよししてあげて。

優しく撫でてあげて。それで、
“大丈夫だよ”って言ってママを呼んで」


「うん、わかった!」


「いい子ね、遥翔。」
< 3 / 29 >

この作品をシェア

pagetop