盲目の少女 〜私の見える世界〜
\色と形/


それから早すぎるくらいに時間はすぐにたち、

気づけば5年が過ぎていた。



「遅刻するわよ遥翔、早くしなさい」


「わかってるよ。行ってきまーす」


「いてらっしゃい、気をつけてね」



パンをくわえて家を出てくその素早さに
目がついて行かず、
海輝とその妹 紅葉は首を左右に振りながら

手を振った。



紅葉 モミジは2年前の秋に生まれた子。


ちなみに遥翔は桜が満開の4月で、
海輝は太陽の眩しい夏。


3人とも季節に合わせてつけられた名前。



「今日は3人で海に以こっか」


「行く〜!うに〜」


「うにじゃなくて、うみ」


紅葉はまだ2歳だからまだ言葉を 
はっきり話すことができない。


そこがまた、愛らしい。


今日父さんは仕事で朝早く出て行っていないから
今は女3人。
< 5 / 29 >

この作品をシェア

pagetop