若恋【完】



真っ直ぐに奏さんを見つめる。

裏切ったお兄ちゃんはどうなるの…?
すべての責任を取る覚悟を決めて、目を伏せたお兄ちゃんは…?

奏さんの目は揺るがない。
榊さんも、みんなの瞳も。


「―――処分保留とする」

「…奏、」

「だが、あの女は害にしかならない。消えてもらう」


消えてもらう?
それって……まさか
「あの女性は奏さんの秘書だったのに、」

「俺にはおまえだけがいればいい」

「そんな、モノみたいに言わないで」

一時でも奏さんのそばに置いてた女性なんでしょう?

「………」

「お願い」

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