若恋【完】
「約束したんだ。丸井を田舎に送り届けるってな」
わたしが奏さんにお茶を出すと、それを啜りながら、
「りおも一緒に行かないか?」
と、誘ってくれた。
「行く!」
「二人きりで行くのは無理だから護衛はつくがな」
「それでもいい!」
奏さんが行くところならわたしついて行くよ。
「ここは榊に任せて、少しのんびりしてこよう」
わたしの髪をひとすじ掬って髪にキスする。
「!」
奏さんの眼差しでわかった。
奏さんはわたしがあの銃撃戦の後から悪夢に魘されていること…
だから、ここを離れてのんびりしてこようって言ってくれてるんだって…
優しいね、奏さん。
「なんか言ったか?」
「う、ううーん」
大好き、奏さん。