若恋【完】


「…り、お?」

「あ、目が覚めた?」

「ん。んー、おはよ。…寒気はなくなったか?」


大きな欠伸をしながら奏さんがまたわたしを引き寄せる。


「うん、すっかり良くなったみたい」


確かにそう。寒気がなくなっていいかんじ。



「そうか、だったらいい」


広がるわたしの髪をさらりとまとめて髪の先くちづける。



「んっ」

髪の先から頬にくちびるが移る。

口の端を上げて耳を甘噛みして甘い吐息を落とす。



「りおが…ほしい」

「ん、だめっ」

「おまえがほしい」



くちびるが首筋を這う。

柔らかな感覚に小さく体が震える。



「おまえがほしいんだ…」


その声に抗えなくて奏さんの腕の中に囚われる。


深い口づけをしてわたしの両手をその手が縫い止める。



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