若恋【完】


「榊が言ったんだ。体を冷やさないように気をつけないと後々に響くと」

「ん、まあそうだけど…」

「靴下は夜も脱がせるなとも言ってたぞ」

わたしが冬でも裸足で部屋の中をパタパタ歩いてるからそう言ってくれたみたいだけど、寝る時は裸足でないと眠れないよぉ。


「脱がせるなってな」

こりゃ、夜にこっそり脱げないな。



「何にもさせるな。体をとにかく休ませろと」


まるで奏さんが監視するみたいに感じられて。



ん?


「もしかして」

「何がもしかして?なんだ?」



「もしかして、明日も明後日もずっとこの部屋に、」

「ん?泊まるぞ」

「………」

「何か文句あるのか?」


いや、ないです。
全然ないです。



「りおと赤ん坊を誰もいないとこに置いておけないしな」

「………」

誰もいないとこにってわけではないけど確かに護衛する人はいない。





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