若恋【完】
樹から告白をされたってことはすぐにクラスに知れ渡った。
学校に迎えにきてくれた榊さんと仁さんは、車に乗った途端に、
「学校で派手な告白をされたそうですね」
いつもにこやかな榊さんは、機嫌が悪いのか固い表情だった。
なんで告白されたことを知ってるんだろう?
不思議に思って首を傾げたら、
「返事は返されたんですか?」
「返事?」
「告白の返事です」
答えることに迷っていると、榊さんとルームミラーで目があった。
先に反らしたのは榊さん。
「若にはどのように話をされますか?」
「どうって……言われても」
「若には黙ってるわけにはいかないでしょう?」